|
東京タワーと同じぐらいの巨大タンカー
原油を運ぶタンカーは20〜30万トン級のVLCC(Very Large Crude Carrier)と呼ばれるタンカーが中心となっています。
就航の多い26万tクラスのタンカーで全長は約330m。新幹線12両分の長さに相当し、縦にすれば東京タワーとほぼ同じです。 |
船底からマストの頂点までの高さは約75mで、22階建てのビルの高さぐらいです。タンカーの中は、15から20個のタンクに仕切られていて、もし事故があっても、中の原油が全部流れ出さないようになっています。
こうしたタンカーは、最新鋭のコンピュータで自動化されていて、乗組員はわずか20人くらいです。
|
|
|
|
|
中東の夏はとても暑く、気温は40℃以上、海水は30℃以上になります。アラビア湾を通るタンカーの甲板の温度は70℃を超え、卵を落とすと、すぐに目玉焼きができてしまうほどの熱さです。 |
性能のよいエンジンや大きなスクリューを使うなど、タンカーも省エネが進んでいます。日本と中東の往復では、2200キロリットルくらい(ドラム缶1万1000本分)の重油が使われます。(ドラム缶1本は200リットル)
|
地上のタンクから桟橋までパイプラインが伸びています。原油をおろすとき、パイプラインとつながっているローディングアームをタンカーに取り付けます。原油をすべておろすのに要する時間は30〜50時間かかります。
|
|
止まっているタンカーがフルスピード(時速約30キロ)を出すまでには1時間以上、またフルスピードのタンカーを止めるには30分以上かかります。全長が東京タワーと同じほどの巨大で重いタンカーですから、動いたり止ったりするのも大変と言うわけです。 |
タンカーは産油国へいくとき、いくつかの専用タンクに海水を入れていきます。タンクがからっぽだと、タンカーが浮きすぎてスクリューが海の上に出てしまい、うまく走れなくなるからです。 |
|
タンカーの中には、たくさんの石油を入れることができますが、石油を積んだ時と降ろす時では9メートルも違います。日本から産油国へ行く時には、バラストタンクに海水を入れてバランスをとりながら走っています。 |
|
|